ぼくらログ

by あきもと ひさきち

本の要約|「20歳のときに知っておきたかったこと」スタンフォード大学集中講義

今回はこの本を読みました↓

「20歳のときに知っておきたかったこと」スタンフォード大学集中講義
20歳のときに知っておきたかったこと
著者:ティナ・シーリグ

この本は、実際にスタンフォード大学で行われた集中講義の中から、人生を変えるために重要となるヒントが書かれている本でした。

自分の備忘録として、この本を要約して記事にしましたが、自分の頭の中で噛み砕いた内容を文字にしたので、僕のフィルターが少々かかっています。

なにぶん素人の要約なので、正確性に欠けていると思いますがあしからず。

この本をざっくり解説

スタンフォード大学とは、2022年の世界大学ランキングで4位の超名門大学(東大は35位)で、著者が20歳になる自分の息子にも伝えたいと思った、人生で大切な考え方を厳選してまとめた本です。

この本の考え方を参考にすれば、身の回りにあるチャンスを掴むことができるかもしれません。

5ドルを2時間で増やす方法

人気講義①:5ドルを2時間で増やす方法

問:ここに5ドルが入った封筒があります。これを2時間で増やす方法を考えなさい。

当初学生たちは、常識にとらわれて「ラスベガスで増やす」といったような考えしか出てこなかったそうですが、次第に素晴らしいアイデアが生まれ始めたそうです。

あるチームは、街にある人気レストランでいつも長蛇の列ができていることに目を付けました。

そこでメンバーたちは、手分けしてそのレストランの予約を取り、行列の後ろで長時間待たされている人たちに、その予約した順番の権利を販売したそうです。

そうしたところ、最高で20ドルで買ってもらえたそうです。

つまり5ドルすら使わずに、手元の資金0円で20ドル稼ぎ出したことになります。

さらにそのグループは、女子学生の方が男子学生よりも予約がよく売れるということに気づき、途中から男子学生は店の予約を、女子学生は並んでいる客に予約を販売することで、より効率的にお金を稼ぎ出すことに成功したそうです。

結果的にこの学生たちは、2時間で約300ドルを稼ぎ出しました。

自分の持っている資源を活用する

先程のチームは、2時間で約300ドルを稼ぎ出しましたが、別のチームは、たった3分で650ドルという最高額を稼ぎ出しました。

そのチームの学生たちは「自分たちが持っている資源」は、元金の5ドルでも、制限時間の2時間でもなく、この講義の最後に行われる3分間というプレゼンテーションの時間だということに気づいたそうです。

各チームには、課題の結果発表のために3分間のプレゼンテーションの時間が与えられていました。

そのチームは、そのプレゼンテーションの時間をある企業に販売し、その企業は、その3分間で制作したCMを流したそうです。

これにより、元手0円かつ3分間という超短時間で約650ドルものお金を稼ぎ出すことに成功したそうです。

これはつまり、「自分たちが持っている貴重な資源=スタンフォード大学というブランド価値」ということに気づいたからこそ成し遂げられた成功と言えそうです。

チャンスはいくらでもある

上の2チームの例でも分かる通り、レストランの行列のような問題は、身の回りを観察すればいくらでも見つけることができます。

その問題の一つ一つがチャンスであり、問題が大きければ大きいほどチャンスも大きい

大抵の人は問題にぶち当たると、あまり考えもせずに解決することを諦めてしまいますが、今、自分が持っている資源(能力や環境など)を使って解決していくことは可能です。

起業家のほとんどが常に問題を探して、限られた資源を使って問題を解決し、目標(マネタイズ)を達成しています。

5ドルを元手に増やせと言われると、その5ドルを使うことばかりに思考が偏ってしまうが、広い視野で見ることで可能性はどんどんと広がっていくわけです。

実際に学生たちは、元手なしに稼げる方法を思いついたわけですから、それが何よりの証拠と言えそうです。

常識を疑う

講義②:常識を疑うスキルを磨く授業(シルク・ドゥ・ソレイユが成功したわけ)

1980年代、サーカス業界は不況に陥っていたそうです。

サーカスの講演内容は決まりきっていて新鮮さがなく、お客さんはガンガンと減り続けていました。

さらには、動物を虐待しているという批判も高まっていたそうです。

このような背景から、この時期に新しいサーカス団を立ち上げることは無理だと考えられていましたが、カナダの大道芸人だったラリベルテさんは、サーカスの常識をことごとく覆してシルク・ドゥ・ソレイユを立ち上げました。

講義では、まず伝統的なサーカスのビデオを見せて、伝統的なサーカスの特徴を学生にあげてもらうそうです。

例えば、動物による曲芸、安いチケット、けたたましい音楽、赤い鼻のピエロ...といった具合に。

次にその特徴を逆転させるそうです。

動物は出てこない、高いチケット、洗練された音楽、ピエロなしのステージ...といった具合に。

そして次に、元の特徴の中で残しておきたいものと、変えたいものを選びます。

こんな風にして常識を疑うスキルを磨いていくそうです。

思い込みを捨てる

この「常識を疑うスキルを磨く授業」で大切なことは、

  • 思い込みを捨てる
  • 常識を疑う

こと。

私達の身の回りにも、当たり前に行われてきた伝統的なものがありますが、時の変化によって時代に合わなくなったものが数多くあります。

何かを見直したいと思った時に大切なのは、常識だと思われていることを洗いざらい列挙していくこと。

シルク・ドゥ・ソレイユのように常識を全てひっくり返した上で、残したいものだけを選ぶことで、斬新なサービスやアイデアが生まれるそうです。

エネルギーを注ぐものを見極める

もし、今やっている何かを「続けようか?やめようか?」迷っている時、過去にどれだけコストをかけたかに囚われてはいけないそうです。

例えば、ギャンブルで2万円突っ込んだとして、大抵の人は2万円も使ったんだから、もう1万円入れたら逆転できるはずだと過去に使った2万円を正当化してしまいます。

これは、ギャンブルに限らず苦手な仕事などでも同じことで、努力や苦労を重ねていくと、それを正当化したくなり、ここでやめたら今までの苦労が水の泡になってしまうと思い込み、無意味に続けてしまいがちです。

どんなことでも努力は必要ですが、根本的に合わない仕事にエネルギーを注ぎ続けても、さほど意味はありません。

丸太に油を注いだら濡れた丸太にしかならないが、炎に油を注げば大火事になる。

つまり、自分のエネルギーをどこに注ぐか見極めるのが行動する上でとても大切ということのようです。

矢の周りに的を描く

世の中は、ほとんどのことがチーム単位で進められています。

チームで何かをする時の最大のメリットは、お互いの得意なことを活かして苦手な部分を補い合えることです。

適材適所というのは仕事が最初にあって、そこに会う人を持っていくので、的に矢を当てる人物を連れてくるというイメージですが、「矢の周りに的を描く」というのは、その人の優れたスキルで勝負(矢を放って)して、当たったところに的を描くイメージです。

つまり、その人が得意なことに近い仕事や目標を作れば、驚異的な成果が出せという考え方です。

「〇〇をしようとしている」は言い訳

何か新しいことを始めようと思ったら、結局やるかやらないかのどちらか。

「明日からダイエットしようとしている」とか、「来月からプログラミングを始めようとしている」という言葉は、やろうと思っているけど、まだやっていないという言い訳に過ぎないそうです。(ぐさりと来ますねw)

スタンフォード大学のバーニー・ロス教授が実践している演習があるそうです。

その演習では、教授が手に空き瓶をしっかり握った状態で、ある生徒に「僕から空き瓶を奪おうとしてみて」というそうです。

すると生徒は、言われた通り懸命に奪おうとしますが、なかなか奪えません。

しかし、その後教授が「僕から空き瓶を奪って」とセリフを変えると、学生は必死になって2、3回目の挑戦で奪い取られてしまうそうです。

つまり、「やるか or やらないか」であって、「やろうとしている」という意識では力が発揮できないということです。